債務整理を頼むなら司法書士？弁護士？
１．はじめに
「債務整理」について調べようとネット上で検索すると、司法書士や弁護士の事務所がいろいろと出てくるけど、「どっちに頼めばいいのかわからない」方もいらっしゃるのではないでしょうか。
皆さんの「弁護士と司法書士って何が違うの？」「債務整理ってどっちに頼めばいいの？」 という疑問に答えていきます。
２．弁護士と司法書士、そもそも何が違う？
弁護士も司法書士も法律のプロです。
どちらも法律の知識はありますし、どちらが優秀かというのもその人次第です。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
それは、皆さんの代理人となることができるかです。
司法書士が行える業務については司法書士法3条に書いてあります。
その中には、一部の司法書士（認定司法書士）は請求する（されている）額が１４０万円以下の事件について、簡易裁判所での代理人となることができると書いてありますので、その範囲内の事件については代理人となることができるでしょう。
しかし、その範囲を超えると司法書士が表に立って依頼者の代わりに交渉することは一切許されません。
これに対し、弁護士はすべての法律業務を行うことができます。
弁護士であれば、どのような法律相談であっても対応することが法律上可能です。
このように見ると、弁護士にすべて頼めばいいと思いますが、実は司法書士に頼んだ方が確実である場面があります。
それは、登記や供託が関係しているような場合です。
司法書士は登記や供託について深く理解しており、弁護士よりその分野に関して詳しい方も多いです。
実際、弁護士が登記について司法書士に助言を求めることも珍しくありません。
相続があって家の登記を変えなければいけない、という場面では司法書士に相談する方がいいかもしれません。
３．債務整理では違うの？
債務整理を依頼する場合、上で述べましたように、140万円を超える事件については司法書士が扱えません。
そのため、一社に対する借入額が140万円を超えるものがある場合、司法書士に相談はできず、弁護士にのみ相談ができます。
例えば、あなたがとある業者に150万円の借金がある場合、和解交渉によって130万円まで減額できるとしても、元の借金額が140万円を超えるので弁護士に依頼する必要があります。
さらに、債務整理の問題は、借金問題が訴訟に発展してしまうことや、自己破産や個人再生手続の大変さを考えると、司法書士より弁護士に頼む方がいいでしょう。
訴訟であれば、認定司法書士に頼める額を請求されているとしても、その訴訟の結果に不満があるには控訴ができます。
しかし、司法書士では控訴審であなたの代理人となることができません。
新たに弁護士に一から事情を説明したうえで依頼することになる二度手間が生じる可能性があります。
それのみならず、事件が複雑すぎるなどの理由で簡易裁判所から地方裁判所に移送される場合がありますが、その場合も認定司法書士が代理人となれません。
他に、自己破産や個人再生については、司法書士ができるのはあなたのかわりに書類を作ることやアドバイスをすることだけです。
自己破産や個人再生はあなた自身が裁判所に行って、裁判官の前で話す必要があります。
弁護士であれば同行してその場でアドバイスができますが、司法書士の場合はあなたと一緒に部屋に入って裁判官と話すことはできません。
また、弁護士が代理人となっている場合の方が安く手続費用が住む場合もあります。
例えば、東京地裁で行う自己破産の場合、その手続の費用をあらかじめ裁判所に払う必要があります。
そして、管財人という人をつけてあなたの財産状況などを調べる必要があると裁判官が判断した場合、弁護士がついていれば費用が30万円ほど安くなることもあります。
このように、債務整理をはじめから弁護士を依頼した方が、二度手間にならなかったり、手続に一緒に来てくれたりするだけでなく、場合によっては必要な費用が安く抑えられることもあります。
４．「司法書士と弁護士の違い」まとめ
ここまで司法書士と弁護士との違いや、債務整理をどちらに頼むべきかを解説してきました。
上に述べた内容をまとめますと、次のようになります。
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| 司法書士 | 弁護士 |
| 借金額によって相談に乗れる限界がある？ | 借金の中に、140万円を超える借金が一つの業者相手にあると相談、受任はできない | 借金額による制限なし |
| 民事裁判で代理人となれる？ | 司法書士のうち、認定司法書士は140万円以下の請求に関する事件で、簡易裁判所で手続が進む限りは可能 | 全ての事件について可能 |
| 破産や個人再生手続を代わりにできる？ | できない 司法書士が書類を作り、本人が裁判所に持っていく形であれば可能 | できる |
| 破産や個人再生の手続に同席できる？ |
できない
| できる |
| 手続費用 | 依頼する司法書士や弁護士の事務所次第 |
弁護士は相談するだけでお金がかかるし、手続を進めるお金もないよ、と考えている方もいるかと思います。
しかし、法律事務所では借金相談については何度でも無料で行えるところが多いです。
そして、債務整理の経験・実績が豊富ですので、あなたに最適な債務整理方法を提案し、最後までお手伝いする自信があります。ぜひ、お気軽に法律事務所までお気軽にご相談ください。
