イオン銀行(イオンクレジットサービス)の債務整理
「イオン」は日本を代表する大手流通グループであり、全国に大型のショッピングセンターがあります。「イオン」の買物で特典がつく「イオンカード」は主婦層に人気があり、法律事務所でも多数のご相談実績があります。
「イオンカード」の債務整理についてご説明します。
クレジットカード取引はイオン銀行。
イオンクレジットサービスは保証会社。
現在、「イオンカード」はイオン銀行株式会社(以下「イオン銀行」といいます)が発行しています。したがって、「イオンカード」でのショッピングやキャッシングは、イオン銀行が債権者です。
一方、同グループ内のイオンクレジットサービス株式会社(以下「イオンクレジットサービス」といいます)は、このイオン銀行のカード契約における保証会社となっています。
(なお、現在のイオンクレジットサービスは、かつて「イオンカード」の発行主体となっていた旧イオンクレジットサービス株式会社とは別の法人です。)
弁護士が介入するとイオンクレジットサービスが交渉相手になる。
「イオンカード」を対象とする債務整理を受任すると、弁護士はイオン銀行に対して介入通知を送付します。
すると、保証会社であるイオンクレジットサービスは、カード会員に代わって未払いカード利用代金をイオン銀行に支払います(代位弁済といいます)。
これによって、イオンクレジットサービスはカード会員に対して求償権という債権を取得します。
したがって、債務整理手続きに着手した後は、債権者はイオン銀行ではなくイオンクレジットサービスになるのが通常の流れです。
なお、イオンクレジットサービスがイオングループの債権回収会社であるエー・シー・エス債権管理回収株式会社に回収委託することもあります。
平成19年(2007年)以前からイオンカードを使っている方へ
「イオンカード」のキャッシング取引に適用されていた利率は、平成19年3月10日まで、利息制限法の規制を超過していました。
したがって、それ以前から「イオンカード」のキャッシングを行っていた場合は、払い過ぎを見直せば、現在の請求額よりも借金が大幅に少なくなったり、過払い金が返ってくる可能性があります。
取引の記録はイオン銀行から開示されるので、ご自分で覚えていなくても問題ありません。
少額の入金でも和解できる可能性あり。任意整理に協力的。
払い過ぎを見直しても借金が残ったり、またそもそも払い過ぎが全くなかったとしても、任意整理によって返済の負担を軽減し、家計の収支を改善することが可能です。
任意整理による分割弁済の回数は、一般的には、36回から60回程度とされています。
この点、イオンクレジットサービスは、個別の事情によっては最長で80回を超える分割にも応じることがあるため、比較的長期の返済計画が立てやすい会社です。
特に、和解案における毎月の最低弁済額が1000円以上と他社に比べて低く抑えられているため、収入が少ない人であっても任意整理による解決が期待できます。
たしかに便利。でも使い続けると家計がカード依存に。
大手スーパーと提携しているクレジットカードは、ポイントの優遇や割引などの特典が受けられるため便利でお得な側面はあります。
しかし、クレジットカードの利率は決して低いとはいえません。複数のクレジットカードを継続的に使用していると、毎月の返済額が収入の大半を占め、給料日前に再びクレジットカードを使用しないと家計のやり繰りができない状態に陥る危険があります。
「イオンカード」をはじめとするクレジットカードを繰り返し使っていて、いつまでに完済するか具体的な見通しが立たないという方は、債務整理をきっかけに毎月の収支を見直し、クレジットカードに依存した家計状況から脱却してはいかがでしょうか。
「イオンカード」のお支払いにお悩みの方は、専門家までご相談ください。