任意整理をした後に、自動車の残価設定型クレジットの審査は通るか?

カードローンなどの借金について弁護士に任意整理を依頼した後、残価設定型クレジットの審査は通るのでしょうか?

自動車ローンの中には、「残価設定型クレジット(残クレ)」、「残価設定型自動車ローン」と呼ばれる商品があります。 詳しくご説明しますね。

残価設定型クレジット(残クレ)とは

車両価格の一部をあらかじめ最終回の返済分として据え置き、それ以外の残額を2~3年の期間で毎月分割して返済する自動車ローンです。最終回に据え置かれた金額のことを「残価」と呼んでいます。

通常の自動車ローンと異なり、最終回の返済額をまとまった金額に据え置くことで、それ以前の毎回の返済額を低く抑えることができるようになっています。

顧客は、最終返済時に残額をまとめて支払って車を引き取るか、車を残価(またはそれに近い金額)でローン会社に引き取ってもらい最終回の返済を免れることができる契約になっています。

数年後の車両下取り価格がおおむね保証されているため、ローン契約者にとっては買い替えなどの計画が立てやすく、人気があります。

信用情報機関に加盟しているクレジット会社の場合は審査に影響あり

過去に債務整理を行った事実が確認できた場合、審査が通りにくくなる可能性あり

残価設定型クレジットを取り扱う大手クレジット会社は、指定信用情報機関に加盟しています。

任意整理や自己破産を行った人が、新たに残価設定クレジットを申し込んだ場合、そのクレジット会社は、加盟する指定信用情報機関に対して申込者の信用情報を照会します。

その結果、過去に債務整理を行った事実が確認できた場合、審査が通りにくくなる可能性はあります。

信用情報には返済能力に関する事実が記録されているだけであり、その事実に基づいてどのような審査をするかは各社の判断です。

したがって、信用情報に債務整理に関する事実が記録されたからといって、必ず審査が通らないと断言できるわけではありません。

・ローンが組めないときはどうするか

クレジット会社で残価設定クレジットが組めない場合は、ほかの方法で新たに車を調達するしかありません

安い中古車を一括で購入する、家族等に購入してもらいそれを借りるなどの方法がすぐに思いつきますが、誰もができるわけではないでしょう。

そこで、中古車販売業者などの自社ローンを利用する方法もあります

これは、中古車販売業者と買主との間で、直接、代金を分割払いにするという売買契約であり、クレジット会社に代金を立て替えてもらう一般的なクレジット会社による自動車ローンとは異なります。

通常、中古車販売業者はクレジットカード会社のように、指定信用情報機関に加盟していません。

したがって、ローン契約時に信用情報を照会することもないため、過去に債務整理をした人に勧められることが多いです。

もっとも、中古車販売業者が独自に収入等を審査することはありえますし、連帯保証人を求められることもあります。

また、自社ローンの金利は信販会社や銀行の自動車ローンに比べて高く設定されていることもあるようです。

それゆえ、返済の見通しが立つかどうかは慎重に判断するべきでしょう。

車がないと生活に支障が出るという方は多いかと思います。

残価設定型クレジットで車を買ったけど債務整理しようか迷っているという方は、法律事務所までご相談ください。

債務整理は事務所選びが一番大切!