自己破産をした場合、履歴書に書かなければならないのか?

自己破産したら履歴書に書かなければなりませんか?
自己破産したことによって、就職や転職で不利になりませんか?

通常は、就職時に申告する義務はありませんが、心配になるお気持ちはよく分かります。実際に「就職や転職で不利になるのなら自己破産だけはしたくない」 というご相談も頂戴します。

自己破産が就職や転職にどう影響するか、ご説明しますね。

「自己破産したこと」を就職時に申告する義務はない

昔、自己破産をしたことがある人が就職や転職をする際に、応募する会社に自己破産したことを説明したり報告する法的な義務は、一般的にはありません。したがって、履歴書にも書く必要はないでしょう。

民間のサラリーマンやアルバイトだけでなく、公務員の採用試験であっても同様です。

自己破産は、「賞罰」とは関係ない

履歴書のフォームには「賞罰」という欄があります。この欄は、過去の表彰歴と犯罪歴を記入するものです。

しかし、過去に自己破産したという事実は、表彰歴や犯罪歴とは全く関係がありません。したがって、賞罰に記入する必要はありません。

「破産者」の資格制限は一時的なものです

警備員など、一定の資格を取得できることが応募の条件になっている求人があります。

この場合、「破産者で復権を得ない者」に該当するにもかかわらず、それを隠して履歴書を提出すると、採用後に問題となる可能性はあります。

もっとも、「破産者で復権を得ない者」に該当するのは、通常、数か月程度に過ぎません。

かつて自己破産したことがあっても、すでに免責許可決定が確定しているならば、「復権」を得ていますから、資格制限にはひっかかりません。

自己破産を隠したことを理由に解雇されないか

社会通念上相当でない解雇は無効

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利の濫用であり無効とされています(労働契約法16条)。

かつて自己破産したことがあったとしても、すでに免責許可決定が確定しており、従事している業務において特段支障がないならば、単に自己破産したことがあることを理由にその社員を解雇することは法的には困難であると考えられます。

自己破産が就職や転職で不利になるのは、非常に限られた場合にすぎません。 自分のケースはどうなのかご心配な方は、法律事務所までお気軽にご相談ください。

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