債務整理の後、再び自動車ローンが組めるようになるのはいつからか

任意整理をした後、またローンで自動車を買えるようになりますか?
いつからローンを組めるようになりますか?

よく受けるご質問ですね。
債務整理のご相談者様の中には、「いつから車のローンを組めるようになりますか」とお尋ねになる方がいらっしゃいます。

お住まいの地域や仕事内容、家族の事情によっては、車がないと生活に支障が出ることも多いでしょう。

債務整理した後の車のローンへの影響についてご説明します。

自動車ローンの審査と信用情報

弁護士がお客さまから依頼を受けて任意整理を申し入れると、相手の貸金業者を通じて指定信用情報機関が管理する個人情報にその事実が登録されます。「信用情報」と呼ばれるものです。世間ではこの状態を「カードブラック」とか「事故情報」などと言っています。

与信審査

申込者の返済能力の確認

任意整理をした後、新たにクレジット会社に対して自動車ローンを申し込むと、クレジット会社は加盟する指定信用情報機関に対して、その申込者の信用情報を照会します。申込者の返済能力を確認するためです。「与信審査」と呼ばれる手続です。

信用情報に債務整理に関する事実が登録されている場合、一般的には、返済能力に不安がある事情の一つと評価されますから、クレジット会社の審査も通りにくくなります。

任意整理の後に車のローンが組みにくくなるのは、このためです。

もっとも、与信審査は、融資希望額や年齢、職業、収入、健康状態など複数の要素を総合的に判断して行われるものであり、信用情報の記録だけで判断しているわけではありません。

また、仮に審査が否決されたとしても、クレジット会社は「なぜダメだったのか」という理由までは教えてくれないでしょう。

したがって、自動車ローンが組めなかった本当の理由を特定することはできないのです。

信用情報は、所定の期間が経過したら削除されます。

任意整理の場合

返済終了から5年以内は情報が保有されます。

自己破産や個人再生の場合

官報に掲載された免責許可決定日から10年以内とされています。

この期間が経過するまでは、車のローンが組みにくい状態が続くと考えていいでしょう。

※信用情報の保有期間について、詳しくは、別コンテンツ【「信用情報の事故登録は誰が管理しているの?」指定信用情報機関とは】内で各指定信用情報機関についてと併せてご説明しております。

ほかの方法で車を用意することも考えましょう

先ほど説明したとおり、信用情報に影響が残っているから絶対にローンが組めないというものではありません。

安定した職業に就く、年収を増やすなど、審査においてプラスに評価される事情を積み上げて、何社か試してみるのも一つの方法かもしれません。

どうしてもクレジット会社などの自動車ローンが組めない場合は、中古車販売事業者が用意している自社ローンで車を購入するという方法もあります。

自社ローンとは、クレジットカード会社が車両代金等を立替払いするのではなく、売主である中古車販売業者との間で直接代金を分割払いにする契約です。

中古車販売業者は貸金業者ではなく、指定信用情報機関には加盟していないため、契約時の審査において信用情報は照会しません。そのため、信用情報が原因でクレジット会社の自動車ローンが利用できないと思われる方にはメリットがあるでしょう。

しかし、自社ローンの場合も中古車販売業者が独自に行う審査はありますし、適用される金利は一般的な自動車ローンに比べて割高なこともあるようです。

返済計画は慎重に見極めるべきでしょう。 債務整理を考えているけど自動車ローンが心配だという方は、法律事務所までご相談ください。

債務整理は事務所選びが一番大切!