債権者集会とは何か?債権者集会では何をするのか?

債権者集会は、破産法に基づいて裁判所が開催する債権者への報告の場です。

債権者集会とは

自己破産の場合、特に見るべき資産がない場合は「同時廃止」と呼ばれる手続に振り分けられ、債権者集会は行われません。

一方、一定の基準を超える財産がある場合や、免責を認めるかどうか調査が必要な場合は、「管財事件」に振り分けられ、原則として債権者集会が開催されます。

債権者集会の種類

債権者集会には、

  1. 財産状況報告集会(破産法31条1項2号)
  2. 破産手続廃止に関する意見聴取集会(217条1項)
  3. 破産管財人の任務終了計算報告集会(88条3項)
  4. その他の債権者集会(135条)

の4種があります。

これらは法律上の分類ですが、実際にはすべての債権者集会を同一の集会期日で一括して行い、1回又は複数回に分けて必要なだけ開催されます

債権者集会当日はどうやって出頭するのか

当日は、代理人弁護士と待ち合わせをしてから裁判所の一室に向かい、出頭カードに名前を記入します。
申立後に氏名や住所の変更があるときは担当の書記官に申し出ます。

破産管財人の弁護士もすぐ近くで待機していると思います。

その後、予定時刻になったら担当書記官から呼ばれるので、所定の場所に代理人弁護士と並んで着席し、裁判官の登場を待って債権者集会が開催されます。

どんな服装がいいのか

特に服装に決まりはありませんが、後述するように出席する債権者がいる場合もあるので、華美な服装は控えたほうが無難です。
高そうに見える時計や装飾品を身に着けることも避けるべきでしょう。

債権者は来るのか

債権者が貸金業者や債権回収会社など、いわば「プロ」の業者しかいない場合、債権者集会に出頭することはまれです。

債権者が一人も出頭していない場合は、破産管財人からの報告はとても簡潔に行われます。

一方、個人からの借金などがある場合、その債権者が出席することはあります。

この場合は、破産管財人から債権者に対して、より丁寧に報告がなされるのが一般的です。
債権者が意見を述べることもあります。

破産者は主に何をすればよいのか

前記のとおり個人の債権者が出席している場合、破産者に対して強い不満や怒りの感情を持っていることがあるので、手続きが円滑に進行するように、その債権者に対して道義的に破産者から謝罪の言葉を述べることはあります。

そのほか、必要に応じて債権者のために質問に答えることも求められます。
このようなときは、申立代理人の弁護士が適宜サポートします。

一方、特にこのような事情がない限り、破産者はしばらく破産管財人の報告を静かに聞いて債権者集会の終了を待ちます。

破産者に特に財産がなく、債権者への配当ができない場合は、債権者集会はその日ですべて終わり、破産手続は終了となります(異時廃止と呼ばれます)。

一方、配当できる見込みがあるが財産の回収に時間を要する場合は、2回目以降の債権者集会が開催されるので、引き続き出頭しなくてはなりません。

債権者集会がすべて終わると、今度は免責審尋という手続きに移行し、まず破産管財人から破産者の免責についての意見が述べられます。

その後、破産法上の免責不許可事由がない場合は、裁判官から現在の生活状況などについて簡単な質問があるので、それに回答すれば特に問題はありません。

一方、浪費やギャンブルなどの免責不許可事由がある場合は、破産者が真摯に反省しているかどうかを確かめるため、もう少し突っ込んだ質問が行われます。実際にどのような質問がなされるかは裁判官次第であり、予想は困難です。

もっとも、自分の借金が何社からいくらあるか、借金を作った主な原因は何か、こうならないためにはどうするべきだったかなど、ごく基本的な質問に対する答えは考えておくべきです。あらかじめ代理人弁護士が想定した質問に答えて練習しておくと、落ち着いて対応できるかと思います。

なお、出席した債権者がいる場合、債権者は免責についても意見を述べることができます。

免責を許可するかどうかは、破産管財人及び出席債権者の意見を踏まえて決定され、免責審尋期日からおおむね1週間後に、申立代理人弁護士宛てに書面が郵送されて知らされます。統計上ほとんどの事件で免責が許可されていることから、許可されないのはよほど重大な免責不許可事由があって手続中の対応も不誠実な場合であると思われます。

債権者集会には代理人弁護士が一緒に出頭して支えます。

特に法律知識がない方にとっては、いま行われている手続がどのようなもので、自分はどのように対応するべきか正確に判断することは困難でしょう。

弁護士に申立代理を依頼した場合、債権者集会をはじめとする手続きに一緒に出頭し、手続きが円滑に進み免責が許可されるようサポートします。

自己破産をお考えの方は、一度お気軽にご相談ください。

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