「借金を返せないなら風俗店で働け」と言われている方へ
借金まみれです。「金を返せないならソープへ行け」と言われています。従って夜の仕事に就くしかないのでしょうか?
このような要求に応じる義務はありません。 脅して特定の職業に就くことを強いることなど許されるわけがありません。
「借金返済のために、水商売や風俗で働け」と脅されている方からのご相談を受けることがあります。
当たり前ですが、要求に応じる義務はありません。
法律上有効な取引で借金をした場合、たしかに貸主には返済を求める権利がありますが、だからといって、借主に就職して返済資金を工面することまで要求する権利はないからです。
ましてや、脅すような言動で、特定の職業に就くことを求めることなど許されるはずがありません。
そもそも、貸金業登録をしているまともな貸金業者は、こんな取立て行為はしないでしょう。貸金業者による取立て行為には法律上の規制があり、違反すると罰を受けるからです。
取立てにはルールがある
貸金業法21条
貸金業法は、21条において、貸金業者等は、債権の取立てにあたって、「人を威迫」したり、同条1項1号から10号までの行為その他「人の私生活や業務の平穏を害する言動」を禁止しています。
「水商売や風俗店で働いて返せ」等と要求することは、人に対する威迫や私生活等の平穏を害する言動にあたる可能性があります。
また、このような言動が深夜に行われたり、勤務先等を訪れて行われるなど、1号から10号の禁止行為に該当する場合も、やはり同条に違反することとなります。
貸金業法21条に違反した場合は罰則の適用があります。
この罰則は、貸金業登録をしていないいわゆる闇金業者であっても適用されます。
脅迫罪(刑法222条)や強要罪(223条)、恐喝罪(249条)の可能性もある
「借金を返さないなら風俗店等でむりやり働かせるぞ」などという言動があった場合は、脅迫罪や強要罪、恐喝罪(またはその未遂罪)が成立する可能性もあります。
脅迫罪
刑法では、「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」と定められています。
「脅迫罪」という犯罪です。
強要罪
また、「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する」とも定められています。
「強要罪」という犯罪です。
いずれも、脅迫の対象が親族であっても成立します。
恐喝罪
さらに、「人を恐喝して財物を交付させた者」や「財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者」は、「十年以下の懲役に処する」とされています。
「恐喝罪」という犯罪です。
お金を貸した場合であっても、返済を求める具体的な言動や方法が「社会通念上一般に認容すべきものと認められる程度」を逸脱するときは違法となり恐喝罪が成立します(最判昭和30年10月14日)。
闇金の借金ならば、そもそも返す義務がない
公序良俗違反で不法原因給付
このような犯罪にあたるような方法で取立てを行う者は、貸金業登録を行っていない無登録業者である場合がほとんどでしょう。
このような無登録業者は、出資法の上限を超える極めて高い金利で貸し付けを行っているケースがあります。
このような貸付行為は、それ自体が公序良俗に違反し法律上無効です(民法90条)。
そして、利息はもとより、借りた元金も返す義務がありません。不法原因給付(民法708条)といって、つぎの規定があるからです。
「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」
「借りたものは返すべき」は通用しない
脅迫的な言動で返済を求める闇金業者に対しては、そもそも返済自体を拒否することが原則です。
「借りたものは返すべきだ」などと言ってくるかもしれませんが、貸付け自体が違法であり無効なのですから、返す必要はありません。むしろ返してしまうと、このような闇金業者を助長することになりかねません。
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任意整理
弁護士が代理人となって債権者と交渉し、減額や金利の調整、支払い期間などの条件和解を締結し、無理なく返済をしていく方法です。
個人再生(民事再生)
裁判所の手続きを通して、借金の元金を5分の1~10分の1程度に減額して、 3年~5年程度で完済する手続きです。
自己破産
裁判所の手続きを通じて、借金全額の返済を免除してもらう手続きです(税金など自己破産しても免除されない物が一部あります) 。
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