「債務整理した後も楽器を使い続けたい!」クレジットカードで購入して未完済のピアノは債務整理するとどうなる?

借金の中に、グランドピアノをクレジットカードのリボ払いで購入したものがあります。

仮に債務整理をした場合、まだ支払いの残っている楽器はどうなりますか?
使い続けることはできますか?
取り上げられてしまいますか?
仕事の都合でどうしても手放したくないのです。

購入したピアノやギターをそのまま使ってもいいか心配な方もいらっしゃると思います。 クレジットカードを債務整理した場合楽器の行方がどうなるのか、解説します。

債務整理をすると、クレジットカードで購入した楽器はどうなるのか?

クレジットカードの仕組み

クレジットカード契約とは

クレジット契約には、あらかじめ利用限度額を設定してカードを発行し販売業者にカードを提示して商品を購入する方式(包括式)と、商品購入の都度クレジット申込書を作成し支払能力の調査確認により審査し契約を締結する方式(個別式)があります。

クレジットカードが発行されるような契約は、このうちの包括式のクレジット契約ということができます。

クレジットカードの利用者は、クレジット加盟店で商品を購入する際にクレジットカードを提示することによって、その場で代金を支払うことなく商品を購入することができます。

クレジットカード会社は、クレジットカード利用者との間のクレジット契約に基づき、クレジットカード利用者と加盟店との販売契約に基づく売買代金をクレジットカード利用者の代わりに支払います。

そして、クレジットカード利用者は、クレジットカード会社が立替払いした売買代金を支払う義務(債務)を負うことになります。

クレジットカードを利用される方の中には、1回払いの場合には債務を負担していないと勘違いされる方もいますが、実際には、クレジットカード会社に対する債務を負担していることになります。

クレジットカードの支払方法

クレジットカードを利用した商品購入について、債務の返済方法は、各クレジット会社との契約内容によりますが、概ね以下のとおりかと考えられます。

(1)マンスリークリア方式

いわゆる一回払いのことで、商品購入の翌月の支払期日に引落がなされることが多いです。

(2)2回払い

商品購入後の最初の支払日と次の支払日で均等分割した額を支払う方法です。

(3)ボーナス一括払い

商品購入後、最初のボーナス月に一括して支払う方法です。

(3)割賦払い

3回以上分割して支払う方法です。

(4)リボルビング払い(いわゆるリボ払い)

締切日における商品購入代金の残高に従い、返済額が変動する支払方法です。返済額の決定方法、債務に充当される金額と手数料(利息)の金額に関する取り決めなど、様々な契約形態がみられます。

いずれにしても、各商品購入代金債務と各返済日における弁済金の充当関係は一見して明らかとはいえなくなります。

クレジットカードで購入した商品は、任意整理したらどうなるか?

所有権留保特約

クレジットカードを利用して商品を購入した場合、クレジットカード利用者が当該債務を返済するまでの間、当該商品の所有権はクレジットカード会社にあります。クレジットカード会社の会員規約にはこのような特約が付されています(なお、割賦販売法7条にも所有権がクレジット会社にあることを推定する規定が設けられています(なお、政令で指定された商品のみが対象))。

これを「所有権留保特約」といいます。

クレジットカード会社としては、クレジットカード利用者が代金債務を返してくれない場合、クレジットカード利用者が購入した商品をクレジットカード利用者から引き揚げることができます。

クレジット会社の債務を任意整理した場合、クレジットカードを利用して購入した商品のうち購入代金を返済してないものについては、クレジット会社に引き揚げられる可能性があります。

ただし、リボ払いで購入した商品については、弁済金と購入した商品の代金債務との対応関係が一見して明らかでないため、規約上も、所有権留保特約の対象とはならないと考えられます。

購入した商品がピアノやギターなど楽器の場合はどうか?

ピアノやギターなどの楽器は高額商品であることが多いため、購入代金の返済が完了していなければ、クレジット会社から、当該楽器の状態を確認されることになります。

楽器については、中古市場もあるため、引揚げの対象となる可能性もあります。

引揚をするかどうかについては、当該楽器の状態や中古市場で売却できる見込み等から、クレジット会社が判断することになります。

なお、リボ払いで楽器を購入した場合には、所有権留保の対象とならないと考えられる場合もあります。

どうしてもピアノやギターを使い続けたい場合はどうすればよいでしょうか。

前述のとおり、楽器については引揚げの対象となる可能性があります。
楽器を手元に確保する方法としては、商品購入代金の債務を親族等の第三者に返済してもらう方法が考えられます。

ただし、自己破産や個人再生に移行する場合には、偏頗弁済に当たりうるため問題となる可能性があります。

お気軽に弁護士にご相談ください

楽器については高額に及ぶことも多く、引揚げの対象となる可能性があります。対応については、債務整理を依頼した弁護士とよく相談する必要があります。

法律事務所では豊富な相談実績・解決実績に基づいて、ご事情に沿って最適な債務整理の方法をご提案致します。お気軽にご相談ください。


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