クレジットカード現金化

クレジットカードの現金化をしたらどうなるか?

クレジットカードの現金化とは、クレジットカードを利用して購入した商品を換金したり、クレジットカードである商品を買ったこととして購入代金の何割かを業者から受け取ったりする行為のことです。クレジットカード現金化をするとどうなるか、ご説明します。

クレジットカード契約とは

クレジット契約には、あらかじめ利用限度額を設定してカードを発行し販売業者にカードを提示して商品を購入する方式(包括式)と、商品購入の都度クレジット申込書を作成し支払能力の調査確認により審査し契約を締結する方式(個別式)があります。

クレジットカードが発行されるような契約は、包括式のクレジット契約ということができます。

クレジットカードの利用者は、クレジット加盟店で商品を購入する際にクレジットカードを提示することによって、その場で代金を支払うことなく商品を購入することができます。

クレジットカード会社は、クレジットカード利用者との間のクレジット契約に基づき、クレジットカード利用者と加盟店との販売契約に基づく売買代金をクレジットカード利用者の代わりに支払います。

そして、クレジットカード利用者は、クレジットカード会社が立替払いした売買代金を支払う義務(債務)を負うことになります。

クレジットカードを利用される方の中には、1回払いの場合には債務を負担していないと勘違いされる方もいますが、実際には、クレジットカード会社に対する債務を負担していることになります。

クレジットカードの現金化とは

クレジットカードの現金化とは、端的にいうと、クレジットカードのショッピングの利用枠を利用し現金を取得することをいいます。

具体的には、

①買取方式

クレジット現金化業者から、高価商品をクレジットカードで購入し、その商品を当該業者に手数料を差し引いた金額で買い取ってもらう方法(買取方式)

②キャッシュバック方式

クレジット現金化業者からほとんど価値のない商品をクレジットカードを利用し購入し、その金額から手数料を差し引いた金額の返還を受ける方法(キャッシュバック方式)

③買戻方式

クレジット現金化業者から買戻し特約付きで商品をクレジットカードを利用し購入し、買戻しの実行を受け手数料を差し引いた金額の返還を受ける方法(買戻方式)

④クレジットカードを利用して現行の紙幣や貨幣を購入する方法

などがあります。

クレジットカード会社の規約においては、換金目的でのクレジットカードの利用は禁止されており、上記のいずれの態様での現金化でもクレジットカードの利用停止措置の対象となる可能性があります。

なぜクレジットカードの現金化に手を染める人がいるのか?

クレジットカード会社との契約においては、①カードを提示して商品を購入するサービス(ショッピング)と、②現金の借入限度額を設定しその枠内で自由に現金を借入ができるサービス(キャッシング)があります。

ショッピングで利用できる限度額(ショッピング枠)とキャッシングで利用できる限度額(キャッシング枠)は別個に設定されており、審査も個別に行われます。結果として、クレジットカード会社との契約において、ショッピング枠は100万円で通ったけど、キャッシング枠は通らなかったということが起こり得ます。

以上のような状況がありますので、現金の借入が受けられない人が、借入ができないので「ショッピング枠を利用して現金を取得したい」と考えるケースが発生します(クレジットカードの現金化)。

クレジットカードの現金化のどこが問題なのか?

すでに説明したとおり、クレジットカード会社は、クレジットカードのショッピング枠を換金目的で利用することを規約において禁止しています

違反行為が見つかった場合、クレジットカードの利用停止措置が取られる可能性があります。

その他にも以下の問題があると考えられます。

(1)債務の負担が増え返済が大変になる

クレジットカードの現金化において、利用者の手元に入る金額は、換金したショッピング枠の金額そのものではなく、何割かカットされた金額になります。

利用者は、実際に手に入るよりも過大な金額の債務を負担することになり、返済が困難になりやすいといえます。

また、換金目的でのクレジットカードの利用が発覚しクレジットカードの利用停止措置がとられると、それまでと同じようにクレジットカード取引ができなくなりますので、途端に、生活が回らなくなる可能性もあります。

(2)自己破産を選択した場合、免責不許可事由にあたる。

破産法では、破産手続開始を遅延させる目的で、破産者が、信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分することを免責不許可事由としています(破産法252条1項2号)。

クレジットカードの現金化をした場合には、免責不許可となる可能性があります。

ただ、こういった情報を知らずに現金化を行ったとしても、裁判所から裁量免責を受けられる可能性は十分にありますので、依頼した弁護士によく相談してみてください。

(3)悪徳業者から被害を受ける可能性がある

クレジットカードの現金化については、物の売買を介していることもあり、明確な法律違反とはいえない現状があります。

クレジットカード現金化業者が摘発された事例もありますが、クレジットカードの現金化行為が実質は上限金利を上回る違法な貸付であることを理由に出資法違反が問われたものにとどまり、クレジットカードの現金化自体が違法とされたわけではありません。

しかし、すでに述べたとおり、クレジットカードの現金化がクレジットカード会社の規約で禁止されていること、場合によっては出資法違反を理由に刑事罰を受ける可能性があることを踏まえると、こういったクレジットカード現金化業者に悪質な業者が多いのも頷けるのではないかと思います。

このように、クレジットカード現金化をすると、悪質な業者から被害にあう可能性がありますので、クレジットカードの現金化は絶対にすべきではありません。

クレジットカードの現金化に手をつける前に弁護士に相談を

クレジットカードの現金化について解説しました。

クレジットカードの現金化は、貸金業者から借入をできない生活困窮者が、窮余の策として、クレジットカードのショッピング枠を利用し現金を取得しているともみることができます。

しかし、すでにみたとおり、結局は債務の負担が増大し生活が苦しくなること、自己破産の際に免責が受けられない可能性があること、悪質な業者の被害を受ける可能性があることを考えると、絶対に、クレジットカードの現金化をするべきではありません。

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