クレジットカードの現金化をしてしまった場合、自己破産ではどういう影響があるのか?

クレジットカードの現金化に手を染めてしまった場合でも、自己破産できるか?

クレジットカードの現金化とは

クレジットカードの現金化とは、クレジットカードを利用して購入した商品を換金したり、クレジットカードである商品を買ったこととして購入代金の何割かを業者から受け取ったりする行為のことです。

自己破産とはどういう手続きか?

自己破産とは、裁判所を通じた清算型倒産手続の一つです。

個人の債務者の場合、債務者が裁判所に対し破産手続開始の申立てをし、債務者の財産がある場合などにはその配当をするなどの手続をします。

手続が終わると、裁判所は、債務者の免責について判断をし、免責が許可され確定すると、債務者は残った債務を支払う必要がなくなります。

クレジットカードの現金化は禁止行為

クレジットカードの現金化とは、端的にいうと、クレジットカードのショッピングの利用枠を利用し現金を取得することをいいます。

具体的には、

①買取方式

クレジット現金化業者から、高価商品をクレジットカードで購入し、その商品を当該業者に手数料を差し引いた金額で買い取ってもらう方法(買取方式)

②キャッシュバック方式

クレジット現金化業者からほとんど価値のない商品をクレジットカードを利用し購入し、その金額から手数料を差し引いた金額の返還を受ける方法(キャッシュバック方式)

③買戻方式

クレジット現金化業者から買戻し特約付きで商品をクレジットカードを利用し購入し、買戻しの実行を受け手数料を差し引いた金額の返還を受ける方法(買戻方式)

④クレジットカードを利用して現行の紙幣や貨幣を購入する方法

などがあります。

クレジットカード会社の規約においては、換金目的でのクレジットカードの利用は禁止されており、上記のいずれの態様での現金化でもクレジットカードの利用停止措置の対象となる可能性があります

なぜクレジットカードの現金化に手を染める人がいるのか?

クレジットカード会社との契約においては、①カードを提示して商品を購入するサービス(ショッピング)と、②現金の借入限度額を設定しその枠内で自由に現金を借入ができるサービス(キャッシング)があります。

ショッピングで利用できる限度額(ショッピング枠)とキャッシングで利用できる限度額(キャッシング枠)は別個に設定されており、審査も個別に行われます。結果として、クレジットカード会社との契約において、ショッピング枠は100万円で通ったけど、キャッシング枠は通らなかったということが起こり得ます。

以上のような状況がありますので、現金の借入が受けられない人が、借入ができないので「ショッピング枠を利用して現金を取得したい」と考えるケースが発生します(クレジットカードの現金化)。

クレジットカードの現金化をしても自己破産できるのか?

クレジットカードの現金化で利用したクレジットカード会社があっても自己破産はできるのでしょうか?

(1)免責が不許可となる可能性がある

破産法では、破産手続開始を遅延させる目的で、破産者が、信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分することを免責不許可事由としています(破産法252条1項2号)。

クレジットカードの現金化をした場合には、免責不許可となる可能性があります。

ただ、こういった情報を知らずにクレジットカードの現金化を行ったとしても、裁判所から裁量免責を受けられる可能性は十分にありますので、依頼した弁護士によく相談してみてください。

(2)詐欺罪にあたる?

詐欺罪が成立する可能性がある

支払意思や支払能力がないにもかかわらず、クレジットカードを使用した場合、クレジット会社の加盟店がだまされてクレジット会社に被害が発生したことを理由に詐欺罪が成立します。

クレジット現金化業者がクレジット会社の加盟店になっていることは稀と思われますので、おそらくクレジット現金化業者は海外のクレジット会社等の加盟店である決済代行業者を利用しているのではなないかと考えられます。

クレジットの利用者がクレジット現金化業者を通じて決済代行業者をだましてクレジット会社が被害を受けたといえるのであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。

自己破産において免責が許可されるかは申立てやその後の対応次第。

自己破産をしようか迷うなら、必ず弁護士に相談を。

以上において、クレジットカードの現金化をした場合に自己破産ができるかについて解説しました。

クレジットカードの現金化したからといって、直ちに自己破産ができなくなるわけではありませんが、自己破産ができるかどうかについては、様々な事情を考慮する必要がありますので、弁護士とよく相談する必要があります。法律事務所にお気軽にご相談ください。

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