裁判所から書類が届いた方へ
カードローン等の返済を滞納していると、貸金業者や債権回収会社が民事訴訟等の法的手続を執り、裁判所から訴状等の書面が届くことがあります。
このような書面が送られてきたときには、法律にのっとってきちんとした対応をするべきです。何もせずに放置すると、債権者の主張が権利として確定してしまい、給与や自宅が差し押さえられることもあるからです。
・民事訴訟を起こされた場合
債権者が、貸金等の支払を求める民事訴訟を管轄の裁判所に提起した場合、訴状を受理した裁判所から訴状の写し(副本といいます。)や請求を裏付ける証拠などが封書で郵送されてきます(民事訴訟法の「送達」という手続きです。)。
訴額(請求する借金の元金等の価額)が140万円以下なら簡易裁判所、140万円を超えるなら地方裁判所から送達されます。
この郵便は、特別送達という郵便で送られ、郵便局員による手渡しで配達されます。ほかの郵便物のように郵便受けに置いていくものではありません。
なお、訴状の受取を拒否をしても、公示送達(民事訴訟法110条)という制度があり、訴訟の手続は進められてしまいますから、受け取り拒否に意味はありません。むしろ受け取らないと、自分がどのような請求をされているのか把握できず、弁護士に相談することも難しくなってしまうでしょう。
通常は、訴状の副本と一緒に、口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状、答弁書(の書式)、および一般的な説明書などが送られてきます。
口頭弁論期日呼出状に記載されている日時までに答弁書を提出しなかったり、また書面を提出せずに第1回期日に欠席してしまうと、その場で審理は終結され、数週間後の期日において債権者の言い分通りの判決が言い渡されてしまう可能性があります。
弁護士に相談すると、このような答弁書の作成・提出や裁判所への出頭、その後の債権者との返済の交渉を依頼することができます。
・支払督促を申し立てられた場合
支払督促とは、簡易裁判所の裁判所書記官が、申立人(貸金業者)の申立内容だけを審査して、相手方に金銭の支払を命ずる制度です(民事訴訟法382条)。民事訴訟よりも簡易な手続きなので、貸金の返還請求でしばしば利用されます。
この支払督促に不服があれば,異議を申し立てることができますが、支払督促の送達を受けた日から二週間以内に督促異議の申立てをしないと、支払督促に仮執行宣言が付され(民事訴訟法387条)、直ちに強制執行を受けることがあります。
適切に督促異議の申立てをすると、手続きは通常の民事訴訟に移行します。
弁護士にご依頼いただくと、督促異議の申立てや通常訴訟の対応、債権者との和解に向けた交渉などによってお力添えすることができます。
「架空請求?」
近頃、裁判所らしき非常に紛らわしい名称を騙り、商品代金等の支払を求める書面を送り付ける悪徳会社があるようです。
本物の裁判所や貸金業者、債権回収会社からの書面なのか、架空請求なのか、弁護士に相談して確認するべきでしょう。 裁判所から通知が届いてお困りの方は、法律事務所までご相談ください。