過払い金返還請求をお考えの方へ

過払い金返還請求とは

過払い金とは

過払い金という言葉を聞いたことがある方は、今や非常に多いのではないでしょうか。

過払い金とは、借主がカードローンなどの取引において、法律で認められた範囲内の金利であれば本来は借金の返済が終わっていたはずなのに、それ以降も返済として余計に支払ってしまったお金のことをいいます。

過払い金返還請求とは

過払い金(=借金返済の際に支払いすぎたお金)を取り戻すことです。

法律上は、不当利得返還請求権(民法703条)が根拠となります。

「テレビコマーシャルで見かけるくらい有名な会社のカードローンなのに、なぜこのような過払い金が発生するのか」と、不思議に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、過払い金が発生する仕組みについてご説明しますね。

過払い金が発生する仕組み

消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシング取引は、通常、利用限度額の範囲内で繰り返し現金を借りることができ、返済は毎月決まった日に一定額を支払えばよいことになっています。

そして、特に支払いの延滞などがない限り、貸金業者は、毎月の返済額からまず利息を差し引き、その残りを元金(借りたお金)の返済に充てます。

この利息の計算の根拠となる金利には、利息制限法という法律が適用され、上限が決められています。法律上は、利息のうち上限を超えた部分の支払は無効となり、その分は元金に充当されるはずです。

しかし、かつて多くの消費者金融やクレジットカード会社は、この法律の規制を超える利率を適用し、利息として毎月の返済額から収益をあげていたのです。

貸金業者は、制限を超えても例外的に有効な利息の支払として認められる規定(いわゆる「みなし弁済」規定)が適用されると主張していたのです。

しかし、みなし弁済規定の適用が簡単には認めらないことが裁判所の判決として確定し、カード取引の実情に照らせばほとんどの取引において、利息制限法の上限規制を超える利息の支払は認められないことが明確になりました。

その結果、それまで行われていたカード取引を過去にさかのぼって利息制限法の上限金利に従い再計算してみると、月々の返済において元金の返済により多くの金額が充当され、翌月以降発生する利息がさらに少額となることから元金の返済が早く進んでおり、ある時点で借金の残高がゼロ(又はマイナス)になることがありました。

取引の当初から正しい金利で取引していたら、本当はそこで完済できていたということです。

しかし、現実には、当時のATM画面やレシートにはまだ借入残高が表示されており、それを見た顧客も当然支払いを続けなければならないと思っていますから、それ以降も「返済」の名目で貸金業者に入金を続けてしまうのが通常です。その結果、マイナスの数字がどんどん膨らんでいくことになります。

非常におおざっぱではありますが、これが過払い金が発生する仕組みです。

どういう取引で過払い金が発生するのか

平成22年よりも前に行われた消費者金融やクレジットカードのキャッシング取引において発生するケースが非常に多いです。

ただし、カードの種類や時期によって個別に特徴があるため、一概には言えません。

似たようなカード取引でも銀行が貸主になっているものや、クレジットカードのショッピング(立替払い)取引については、過払い金が発生することは通常ありません。

過払い金はどうやって計算するのか

貸金業者は、顧客との取引の内容を時系列にまとめて記録しています。「取引履歴」と呼ばれる記録です。

過払い金は、この取引履歴を取り寄せ、パソコンのエクセルソフトなどを使用して、日付・金利・金額など必要項目を入力して計算するのが一般的です。

なお、貸金業者の名前や取引の年数などの情報だけで過払い金がいくらあるかすぐに診断できるかのような宣伝を見かけますが、そのような診断は著しく正確性に欠け、お客様への情報として価値があるとは思いません。法律事務所では、なるべく取引履歴に基づく正確な情報をお伝えすることに努めています。

過払い金の時効とは

法律上、お金を請求する権利(金銭債権)には時効という制度があります。お金を払わなければならない者などがこの時効を主張すると、権利が消滅してしますのです。

過払い金の消滅時効は、最後に支払ったときなどから起算して10年です。最後に支払った時から10年を経過していなければ、最初の借入がそれより前であっても、過払い金は時効で消滅することはなく、取り戻せる可能性があります(ただし、取引が途中で途切れて契約書を作り直していたり、空白期間が長期に及んでいる場合、一部の取引から生じる過払い金について消滅時効が成立することはあります)。

過払い金を請求すると、カードが使えなくなるのか

過払い金返還請求をする場合、その相手の会社との取引はその時点ですべて清算しなくてはなりません。したがって、その相手の会社のカードは使えなくなります。クレジットカードの会社は、同じ顧客に対して複数の種類のカードを交付していることがありますが、すべて使えなくなるのが通常です。

一方、ほかの会社とのカード取引には影響しません。

借入残高がある取引であっても、引き直し計算の結果過払い金が発生している場合は、ほかの会社との取引に影響しません。

自分から行動しないと過払い金は返ってこない

過払い金は、カード取引をしていた顧客の権利ですが、自分から主張しない限り何も起きません。

有名な会社であっても、貸金業者の方から過払い金が発生していると教えてくれることはまずありません。

自分自身で行動しないと、取り戻すことはできないのです。

「自分にも過払い金があるかもしれない」とお考えの方は、まずはお気軽に、法律事務所までご相談ください。

債務整理は事務所選びが一番大切!