配偶者が高収入だと債務整理できない?
私が作った借金は、夫にも返済義務がありますよね?
夫に内緒で借りた借金が膨らんで返しきれません。
バレずになんとかなりませんか?
(債務整理できませんか?)
配偶者であっても、配偶者名義の債務について支払義務を負うことはありません。 ただ、民法上は日常の家事について発生した債務については、夫婦は連帯責任を負うこととされています。債務整理できるかどうか、順を追って詳しくご説明しますね。
配偶者の借金問題。妻/夫にも返済義務はあるか?
配偶者名義の債務について支払義務を負うことはありません。
ただ、民法上は日常の家事について発生した債務については、夫婦は連帯責任を負うこととされています。
日常家事債務にあたるかどうかについては、金額や債務発生原因となった行為の性質、使用目手や実際の使途などを考慮して決められます。
実際には、日常の家事に関して借入を行ったと考えられる場合でも、貸金業者等の金融機関が日常家事債務であることを理由に他方の配偶者に請求することは通常ないと考えられます。
配偶者が高収入。自分は債務整理できるのか?
配偶者に内緒で借金をしたり、クレジットを利用したりして債務の支払いが困難になった場合、配偶者に内緒で債務整理をしたいと希望される方も多くいらっしゃいます。
債務整理には主に、「任意整理」「個人再生(民事再生)」「自己破産」の三種類の手続きがありますので、それぞれの手続きに分けてご説明致します。
配偶者が高収入の場合、自分は任意整理はできるか?
配偶者に内緒で任意整理できます
任意整理であれば、利息の発生を減らしたり、長期の分割支払を組むことで月々の支払額を減らしたりすることによって、自分の収入の範囲で整理をすることが可能です。
貸金業者等の金融機関から、配偶者の収入等の資産状況を聞かれたりすることもありませんので、配偶者に内緒で任意整理をすることが可能です。
ご自身の収入が全くないか、ご自身に収入があっても支払に回せるお金がない場合には任意整理の方法は選択できません。この場合は、配偶者に事情を説明して協力してもらう必要があります。
配偶者が高収入の場合、自分は自己破産はできるか?
配偶者に内緒で自己破産の手続を進めることは困難です
自己破産の場合、破産原因である支払不能のおそれがなければなりません。
夫婦は、財布を共通にしており、互いの収入を合算した上で、何を購入し、どの債務にどれくらい返済するかを決めているものと考えられます。
そうすると、夫婦の家計については、全体の収支を見なければ支払不能かどうかわからないため、仮に自分だけ自己破産の申立てをする場合でも、他方配偶者の収入及び家計の全体の支出を明らかにする必要があります。
この場合、配偶者の収支状況を確認したり、資料を裁判所に提出するために、配偶者の協力が不可欠となりますので、配偶者に内緒で自己破産の手続を進めることは困難です。
家計を全く別々に管理しているなどの事情がある場合もあると思いますが、夫婦関係が破綻しているなどの特段の事情がない限りは、夫婦の全体の収支状況から支払不能のおそれが判断されることになります。
配偶者が高収入の場合、 自分は個人再生できるか?
配偶者に内緒で個人再生の手続を進めることは困難です
個人再生においては、債務者に破産原因があることが手続開始の要件となっています。
破産原因とは、支払不能のおそれのことですので、上記の自己破産の場合と同様のことがいえます。したがって、配偶者に内緒で手続を進めることは困難です。
配偶者にも相談できない借金のご相談も承ります
配偶者に内緒で債務整理をしたいと思うのは、人間の通常の心理です。
債務整理には、任意整理、自己破産等の手続がありますが、任意整理であれば、配偶者に内緒で手続を進められる可能性があります。
相談段階で配偶者に秘密や弁護士に相談した事実が漏れることはありません。法律事務所にお気軽にご相談ください。